音に対する感覚過敏(聴覚過敏)があると非常ベルや緊急地震速報の警報音を怖がるお子さんがいます。
このようなお子さんにはどのような対応が必要でしょうか。
災害が発生した時には非常ベルや警報音を聴くことになるので
怖がるからと言って全く体験させていないと
いざというときに災害と音への恐怖で
身動きが取れなくなってしまうかもしれません。
一般的な避難訓練では、非常ベルが鳴るタイミングを知らされずいきなり音が鳴ってびっくりすることが多くあります。
なぜ音が鳴るのか、理由がわかっていれば心の準備もできますが、
説明もなくいきなり嫌な音が鳴ると、その苦痛で避難訓練自体にマイナスの記憶が染みついてしまいやすくなります。
聴覚過敏といっても感じる苦痛の程度には差があります。
いきなり何も知らされずに嫌な音を体験すると
恐怖で体が固まってしまいやすくなりますが
嫌な音でも、その音が鳴る理由を前もって説明されていて納得できれば
そこまでの恐怖を感じなくてすむことがあります。
言葉による説明で理解できる子には
非常ベルの音が鳴るタイミングと理由をまず伝えましょう。
「火事が起きた時にこの音が鳴ります」
「地震が起きた時にこの音が鳴ります」
「これはあなたの命を守る大切な音です」
「この音が鳴った時は安全な場所に移動しましょうという合図です」
理由が理解できると
感覚的に嫌な音でも聴けるようになることもあります。
それでも、いきなり大きな音を鳴らすとびっくりしてしまうかもしれません。
はじめは非常ベルや警報音を録音した音を
音量を絞って小さな音で鳴らすことからはじめた方がいいでしょう。
それでも嫌がるようであれば無理強いをしないようにしましょう。
理由を説明して、小さな音を何度か聴いてもらい、慣れれば
一般的な避難訓練にも参加しやすくなります。
避難訓練の際もイヤーマフ(耳あて)をつけて
音の刺激を和らげることで苦痛を緩和しやすくなります。
感覚過敏のある子には刺激を極力緩和して
少しずつ(スモールステップで)災害時に直面する刺激を体験できるようにしましょう。